「ディズニー=子ども向け」だと思っていませんか?
ディズニーの本当の魅力は、時代を超えて語り継がれる“クラシック作品”にこそ宿っています。
そのひとつが、1963年公開の『王様の剣(原題:The Sword in the Stone)』です。
今回は、知る人ぞ知るディズニー映画『王様の剣』の魅力を、ストーリーや登場人物、そして今の時代にこそ響くメッセージとともにご紹介します!
あらすじ:一人の少年が「王」になるまで
舞台は中世イングランド。
王が亡くなったことで国は混乱し、王位は空席のまま。
そんな中、「石に刺さった剣を抜いた者こそ、真の王である」という伝説が語られるようになります。
主人公は、“ワート”という名前の貧しい少年。
騎士の見習いとして働く彼は、偶然出会った魔法使い“マーリン”の弟子になります。
ワートはマーリンの教えを受けながら、魚・リス・鳥と様々な動物に変身し、自然の中で“生きる力”と“考える力”を学んでいきます。
そして物語の終盤。
ある出来事をきっかけに、ワートは伝説の剣を引き抜いてしまいます――。
気づけば彼は、後に伝説となる“アーサー王”だったのです。
3つの見どころ
見どころ一つ目:魔法使いマーリンのユニークな教育法
見どころの一つ目は魔法使いマーリンのユニークな教育法です。
『王様の剣』の最大の魅力は、魔法使いマーリンと少年ワートとのやりとりです。
マーリンは怒りっぽくてちょっぴり変わり者。
でも彼は“知識こそが未来を変える”という信念の持ち主で、ワートに「考える力」を育てていきます。
テストや説教ではなく、ワートを動物に変えて自然界の摂理を体で感じさせる教育法。
これは現代の教育観ともリンクするような、体験学習型の知恵の伝え方とも言えるでしょう。
見どころ二つ目:動物への変身が伝える“共感力”
見どころのニつ目は動物への変身が伝える“共感力”です。
ワートは物語の中で魚・リス・鳥などに変身して、それぞれの世界を体験します。
魚になれば、水中での捕食と逃走を学び。
リスになれば、恋と別れの切なさを知り。
鳥になれば、自由と危険のバランスに触れる。
これらはすべて、他者の視点を知るための“人生のレッスン”でした。
力で支配するのではなく、相手の立場に立って考える心、「共感力」を育てる物語なのです。
見どころ三つ目:アーサー王伝説の「はじまりの物語」
見どころの三つ目はアーサー王伝説の「はじまりの物語」です。
『王様の剣』は、のちに“円卓の騎士”として知られるアーサー王の幼少期を描いた物語です。
アーサー王といえば、剣エクスカリバー、聖杯、魔法使いマーリンなど数々の伝説が有名ですが、本作では「王になる前の姿」に焦点が当てられています。
無名で、身分も力もない少年が、知恵と経験を通して“王にふさわしい人格”を育っていく。
その過程は、まさに“真のリーダーとは何か”を考えさせられる大人向けのテーマです。
今こそ響く『王様の剣』のメッセージ
『王様の剣』に派手な戦いやロマンスはありません。
それでも60年以上愛され続けているのは、“静かに心を育てる物語”だからです。
今の社会では、SNSや評価に疲れ、自分を見失いそうになる瞬間もあるかもしれません。
そんなときにこの映画を観ると、「誰かと比べなくていい」「自分の中に強さはある」と、そっと背中を押してくれます。
まとめ
ディズニーの中でもあまり知られていない『王様の剣』。
その中には、「賢さと優しさが王の資質である」という力強いメッセージが込められています。
子どもの頃に観たことがある方も、ぜひ大人になった今、もう一度観てみてください。
あなたの中の“少年ワート”が、再び剣を抜こうとするかもしれません。
作品情報(補足)
タイトル:王様の剣(The Sword in the Stone)
公開年:1963年(日本公開は1964年)
上映時間:約79分
視聴方法:ディズニープラス、DVDなど
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